おんな城主・直虎の禅語④「前後際断」

気賀のお城が徳川に襲撃されて、あまりに悲惨な現状に言葉をなくしていた直虎さまに、昊天がかけた言葉です。

前後の際を断つという意味です。禅の教えでは、前の心に囚われることも、今の心を後に残すこともよしとはいたしません。そうなってしまうと、今、目の前のことに全力で取り組むことはできなくなってしまうからです。

過去は過去、未来は未来、とにかく今目の前で、自分のなすべきことをしなさいと取ることができます。

夏になると涼しげな幽霊の画を拝見する機会があります。幽霊画は芸術的な価値はもちろん、その他にも、私たちに大切なことを教えてくれているのです。
長くうしろになびかした髪の毛は、後ろ髪ひかれる想いということで、過去への囚われを表しています。前に「うらめしやー」と垂らした両手は、まだ来ぬ未来への憂いを表しています。そして、今現在どこに足をつけているかを見てみると、地に足がついていない。過去や未来に心を置かず、今目の前のことにしっかり足をつけて向き合って生きることこそ大切であると。これは、幽霊からのメッセージなのです。