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[023] 是れ一番寒骨に徹せずんば争か得ん梅花の花を撲って香しきことを

不是一番寒徹骨争得梅花撲鼻香(槐安国語)

「一番寒」とは大寒の中でも一番寒い日、「骨に徹する」とは酷寒の形容です。
大寒の真っ只中、骨に徹する様な寒苦を乗り越えて始めて梅は美しい花を咲かせ馥郁(ふくいく)たる香を匂わせる事が出来るという意です。
またこの語は禅の修行者にとって、苦寒の中をやり遂げる心のはげみです。初発心−初めて禅の修行に志を立てる−の時より雪霜辛苦、人知れず泣きの涙で修行に修行を重ねてこそ、初めてそれこそ、手の舞、足の踏む処を知らずの大歓喜の悟りを得る事が出来るのです。
私達は何かというと安易な道を選びがちですが、戦国時代の武将、山中鹿之助は「我に七難八苦を与え給え」と神仏に祈願して自分を鍛えたといわれます。時には求めて骨に徹するような一番寒を己に課して鼻を撲って香しきを味わう事も必要ではないでしょうか。
「艱難汝を玉にす」、「かわいい子には旅をさせろ」とかいわれます。苦難、艱難を一つ一つ克服する事によって人生の深みも増し、何物にも負けない強い人間に成長するのです。
近頃、厳しい競争と複雑な人間関係に押しつぶされて、原因不明の頭痛、不眠、食欲不振、倦怠感の症状を訴える若い人が多いそうです。原因は種々あると思いますが、ずばりいえば精神的に鍛えが足りなかった事に尽きるのではないでしょうか。