禅を知る

坐 禅

坐禅は、何かを得るために行うものではありません。何かを捨てるために行うのです。
坐禅は「句読点」を、文章に置くことに似ています。「、」と「。」はいくら並んでも意味を伝えるものではありません。
それでも文章から句読点がなくなってしまったら、どれだけ読みにくいでしょうか。
皆さまの日常に、得るもののない坐禅の時間を効果的に置くことにより、他の時間がより豊かで幸せになる。これが、見返りを求めない坐禅の願いなのです。

坐禅への準備

〔坐禅への準備〕
禅堂の入口に入ったら沈黙。合掌したまま自分の単(座布団)まで進み、坐ります。
足の苦痛、しびれ等を防ぐために、靴下は脱ぎ、身体を締め付けない、ゆったりとした服装にしましょう。
〔坐禅の仕方〕
坐禅には、整えなければならない三つのものがあります。
その三つのものとは、身体、呼吸、心です。

調身 
まず姿勢を調えましょう

①自分の席(座布団)に着いたら、右の足を左の腿の上にのせます。さらに左の足を右の腿の上にのせます。これを「結跏趺坐(けっかふざ)」と言います。この方法が無理な方は、右の足を左の腿の上にのせるだけでも構いません。これを「半跏趺坐(はんかふざ)」といいます。

調身 まず姿勢を調えましょう 調身 まず姿勢を調えましょう

②次に手を組みます。坐禅を行うときの最も一般的な印相(いんぞう)(手の組み方)が、法界定印と呼ばれるものです。作り方は、組んだ足の上に、右手の平を上に向けて乗せ、左手も同じように上に向けて右手に重ねます。そして、親指の腹をくっつく寸前のところまで近づけます。組んだ手は下腹部に近づけ、ひじは身体から軽く離します。その時には肩の力を抜いて、気持ちを楽にして行いましょう。
※左手を下にする組み方もあります。

調身 まず姿勢を調えましょう

③身体を前後左右に動かし、重心を安定させます。(揺振)重心が定まったら、腰を伸ばして上半身を真っ直ぐにします。首はしっかり立ててアゴを引きます。
④1・5メートルほど先に視線を落とし、そこをぼんやり眺めます。そうするとまぶたの緊張が自然にほぐれて、半分眼を閉じた状態になります。(半眼)
⑤最後に肩の力を抜き、背骨を真っ直ぐに立てます。舌は上アゴにつけ、両唇と上下の歯を軽く合わせます。

調息 
次に呼吸を調えましょう

姿勢を整えた後は、次に呼吸を整えます。坐禅の呼吸は、腹筋を使って横隔膜を動かす腹式呼吸によって行います。
①まずゆっくり身体中の空気を抜くつもりで息を吐きます。吐き終わったらその反動を使って静かに息を吸い込みます。
②次第に下腹部(丹田・へそ下約10㎝)に力が入るようにし、そして徐々に静かな呼吸に整えていきます。吐く息を大事に、静かにゆっくり、長々と出すことが大切です。リラックスして全身の毛穴で呼吸しているイメージを抱くと理想の呼吸に近づけます。 

調心 
最後に心を調えましょう

姿勢と呼吸が整ったら、心を整えます。
無念無想はとりあえず求めず、「坐って良かったな」と思えるような、「気持ちのよい坐禅」が出来るように心を集中しましょう。出る息、または入る息を心中に数えて、一から十にいたり、また一に戻るという繰り返しの「数(す)息(そく)観(かん)」を試みるのもいいでしょう。

調身 まず姿勢を調えましょう

警策 
禅者の身体を調えます

警策は睡と不睡とにかかわらず行ぜられます。罰するために打たれるものではなく、より禅定三昧に入れるように打ち、禅者の身体を整えるものです。それによって、禅者は調身、調息を計ります。警策を受けたい方は以下の様にして下さい。
①合掌して待つ。
②お互いに合掌して低頭します。
③腕を組んで、上半身を前に倒します。
④左右二打ずつ、計四打受ける。
⑤頭をあげて、互いに合掌低頭します。
警策を受けるときは、肩の力を抜くようにしましょう。打たれた後、気持ちを新たに、はじめから姿勢をつくるようにしましょう。

龍雲寺では
坐禅のしおり(PDF)を
準備いたしました。
ご活用ください。

龍雲寺では
定期的に坐禅会を
開催しております。